玄関の鍵が回る音に、反射的に心が跳ねた。
けれど、思わずキッチンの手元に目を落として、深呼吸をひとつ。
「おかえり」
いつも通りのトーンでそう言ったつもりだったけど──
自分の声が、少し裏返っていた。
彼の「ただいま」が、あまりにも普通で。
まるで、昨夜のことも、今朝のキスも、
昼間にひとりで溢れそうになってたあの感覚さえも…
全部なかったことみたいに思えて、胸の奥がきゅうっとなる。
“……そうだよね。
仕事帰りだし、疲れてるし……
私だけが、引きずってるわけじゃないよね”
──でも、あの時の火照りはまだ、身体に残っていた。
だって、ずっと…待ってた。
昼間、あんなに火照った身体をどうにか鎮めようとして──
指を伸ばしかけた瞬間だった。
スマホが鳴る音が響いて、依頼先からの着信に我に返った。
切り替えて仕事に戻ったけれど、指先の疼きだけは、ずっとおさまらなかった。
“あのまま、続けてたらどうなってたんだろ…”
そんなことを考えてしまう自分が、少しだけ恥ずかしくて──
でも、今もまだ、どこかうずいている。
※この空気が好きな方へ
夕飯の準備をしようとキッチンへ向かう。
エプロンの紐を結びながら、心だけが、ほんの少し寂しさを零していた。
その時…、ふいに温もりが重なる。
「…えっ?」
ぎゅっと、腰のあたりからまわされた腕。
背中にぴたりと押しつけられる体温。
耳元に落ちる、低く、湿った声。
「なに、拗ねてた?」
「……っ」
「だって、わかりやすいよ。顔、ちょっとだけ…不満そうだった」
彼の声が、じわじわと熱を帯びていく。
もう、逃げられない。
「……ちゃんと、我慢できてた?」
「キッチンに立ってるときも、背中で訴えてたよ。“何か起きてほしい”ってね…」
耳たぶを、そっと噛まれる。
吐息が首筋を撫でた瞬間、膝がわずかに震えた。
「ふふ、今日は…」
「……逃がさないからな」
エプロンの布越しに、指がなぞってくる。
背中のくびれを、ゆっくり、丁寧に。
「ねぇ…こっち、振り向いて」
囁く声がくすぐるように耳を撫でて、私の指先が、菜箸を握ったまま震えた。
でも、振り向く前に。
彼の唇が、首筋の柔らかいところに触れる。
ぴちゃ、と湿った音がして、そこだけが火照ったように熱を持つ。
「ここ、朝も…ちゅってしたね」
「……んっ、覚えてたの…?」
「当たり前。だって、すごく甘い声で…鳴いてたじゃん」
もう無理――そう思った瞬間、腰をぎゅっと引き寄せられた。
背中から押しつけられた硬さが、はっきりと伝わってくる。
「……ねぇ。触って?」
彼の指が、私の手を取って、ゆっくりと後ろに導く。
ぴったりと当てられた場所は、硬くて、熱くて…脈打っていた。
「…こんなにして帰ってきたの、誰のせい?」
「……知らない…」
「昨夜あんなに乱れたのに、我慢させた君のせい」
指先を絡めて、そのままキッチンの壁に身体を預けるように立たされる。
エプロンの結び目を、彼の指がほどく。
肩から滑り落ちる音が、やけに大きく響いて…
ぞくんと背筋をなぞるみたいに、空気が敏感なところを撫でていく。
「……ぁ、んっ…」
「どうしたの。もうとろけてきちゃった?」
耳元で、ぴちゃ…とキスの音がして、同時に胸元へ、手のひらが這い上がってくる。
服の上から、柔らかく包み込まれて――
でも、すぐに、その手は下からぐいっとニットの中に潜り込んできた。
「……きゃ、あっ…だめぇ…」
「なんで?」
「だって…ここ、キッチンだし…」
「関係ない。ここで鳴かせるのも、悪くないって思ってた」
片手で背中を支えられたまま、もう一方の手が胸の先端を捉える。
指先で、ゆっくり…くりくりと円を描くように。
そのたびに、柔らかな蕾が震えて、押し返すように反応してしまう。
「ここ…ちゃんと感じてるよ。エプロンの下、もう濡れてきてない?」
「いっ、言わないでよ…っ」
「…ねぇ、仕事中にひとりでしてたでしょ。正直に言えたら、ここ…もっと感じさせてあげる」
そう囁いたあと、彼の指が、私のスカートの裾をゆっくりと撫で上げた。
「……っ、ぁ、ちょっと、だめ……っ、そんな……触らないで……」
彼の指が、下着の中に潜って、とろける熱をゆっくりとすくい上げるように撫でてくる。
でも私は、震えながら声をしぼり出す。
「……し、仕事してたんだから……
してるわけ、ないでしょ……っ」
その声を聞いて、彼の指がぴたりと止まった。
そして――次の瞬間、くすっと笑った。
「……ふーん?」
指先がぬるぬると、また動き出す。
「じゃあ、これは?」
濡れた音が、くちゅっ、くちゅっ…といやらしく響く。
彼の指が、中心の敏感な場所を、円を描くように撫でながら…囁く。
「……なんだかさ」
「……や、ぁっ…!」
「いつもより…濡れてる気がするんだけど」
「っ……ちが……っ、!」
「君…嘘、苦手だよね?」
指先が、びくついた場所を押し上げるたびに、私の腰がぴくぴく跳ねる。
「だって、ここ……こんなに僕の指、吸い込んでる」
「いやっ…やだやだっ…ちがうのっ…!」
「違う? じゃあ……昼間、何思い出してたの?」
ぬるりと、指がさらに奥へ。
ぴちゃ、と音がして、唇が耳にふれる。
「……僕のこと、考えながら……?」
「んっ……うぅっ……っ」
「そのまま、触ったんでしょ?」
「っ……ちがう………ちゃんと我慢したよぉ…だって…」
「ん?」
「朝……、あんなキス…するから……っ」
その言葉に、彼が低く笑う。
満足そうに、優しく、でも逃がさない強さで――
「……バレバレなんだよ」
指が、ねっとりと愛撫を深めながら、快感の核を、何度も何度もこすっていく。
「僕がこうやって触ってるだけで……昨日の続き、全部思い出してる顔してる」
「あぁっ…んっ、ちがっ……ちがう……もん……っ」
「なら……証明して?」
「っ……え?」
「“触ってなんかない”って、僕の指の中で証明してみて」
「……ぅぁっ……そ、んなの……無理じゃんっ……」
「ふふ……じゃあ、やっぱり」
耳元で、確信の声が囁かれる。
「本当は…昼間、僕のこと考えて……
自分で、しようとはしてたんだよね?」
「んぁっ……っ、うそ……つけない……っ」
「もちろんわかってるよ。身体が…全部、バラしてくれてる」
指が、ぐっ…と深く押し込まれる。
ぬちゅっ…ぬちゅぅっ…と奥で音を立てながら、中をかき回されるたび、私が震えて崩れていく。
「……んっ、はぁっ……あぁぁんっ……やめてぇ…」
「もっと正直になって。
そしたら、君の全部…もっと気持ちよくしてあげる」
唇が耳元に落ちた。
「……もう、嘘つかなくていいよ」
「……んっ、うぅっ……だめっ……だめぇ……っ」
くちゅ、ぬちゅぅっ…と、奥から溢れる音がキッチンに響く。
彼の指が、ぐっ…ぐっ…と中をこすり上げるたび、私の脚が崩れそうになるのを背中から支えられて。
「ほら、もうこんなに…。
身体の中、奥の奥まで僕に甘えてきてるよ」
「ちが……ちがうの……」
「ほんとに?」
指先が、敏感な奥にぴたりと押しつけられた瞬間――
「ひあぁっ……っ!」
「……やっぱりね。“そこ”が疼いてたんだ?」
耳元に落ちる声が、やけに濡れていた。
「……もう、逃げられないね」
「ぅぅっ……っ、ごめん……っ」
「言葉では何とでも言えるけど、身体は嘘つけない。
――君の奥、ずっと“続きを待ってた”んだよね?」
「……っ……うん……っ」
「正直で、よくできました」
くちゅ、くちゅっ…とねっとり掻き混ぜながら、彼が指をゆっくりと引き抜いて――
その熱を、指先に伝ったとろみのある雫ごと、私の目の前に見せつけるように持ち上げる。
「……ねぇ、すごいよ?こんなにぐちょぐちょで…」
「……やっ……見ないで……っ」
「見るよ。だって、これは――君が昼間に我慢しきれなかった証拠でしょ」
「やぁっ……っ、やだぁ……っ!こんなの恥ずかしいっ…」
「なら、僕にちゃんと教えて?」
私の顎をそっと持ち上げて、正面から見つめてくる。
「どこに指を伸ばしかけたのか。
どうやって触ろうとしたのか。
……全部、僕に見せて?」
「っ……な、に……言って…」
「“してない”なら、見せられるでしょ?」
「……っ……そんなの……」
「できないの?
じゃあやっぱり……君、触ってたんだ?」
「ちがっ……! してない……! してないよぅっ……!」
「だったら証明して。
僕が触ってた場所、自分でなぞって。
“私、触ってなんかいません”って、僕の前で見せて?」
私の手を、彼が優しく持ち上げる。
腰が引ける。でも――彼の目が、見逃してくれない。
「……んっ…もういやぁ…。こ、こう…?」
指先が、彼の愛撫をなぞるように、スカートの中へ。
濡れた感触が、はっきりと指に絡みついてくる。布越しでも、染みてきているのが自分でもわかっていて、余計に羞恥心をくすぐられる。
「……っうぅ……こんなの…見ないで……」
「…ふふ、どうしたの?」
「……自分で触るの…恥ずかしい……ねぇ、もういいでしょ…?」
「ふぅん? じゃあさ…」
彼が、耳元にそっと唇を寄せる。
「“自分でしたとき”と、どっちが気持ちいいか――教えて?」
「っ……んぁっ…っ」
「全部、僕の前で晒して。
どんなふうに疼いて、どう熱くなってたのか……僕が全て見てあげるから」
私の指が、震えながらも濡れた中心をなぞる。
ふるふると恥じらいに震えながらも、自分で“続きを見せること”からは、もう逃げられない。
「……ねぇ」
「……ぅぅっ……っ」
「さっきの続きを……そのまま君の指で、始めてみて?」
「……っ、んぅ……」
彼の前で、自分の指を下着の中へ滑らせる。
熱く濡れた粘膜に触れた瞬間、私の腰がびくんと跳ねた。
「……っ、ふぁ…あ……んっ…」
その震えに合わせて、彼が低く囁く。
「……すごいね。
指、入れただけで……もう、こんなに音が立ってる」
くちゅ、くちゅっ…
私の指が、彼の指がいた場所をなぞるたび、濡れた音がこぼれる。
「自分で擦ってるの、もっとちゃんと見せて」
「……いやぁ、恥ずかしい…っ」
「でも、やめられないんでしょ?
ほら……君の指、奥に入りたがってるよ?」
指先が、びくつく入り口をかすめたとき――
「ひあっ……っ!」
彼の手が、私の胸元を後ろから包む。
シャツの隙間に潜って、直接、敏感な蕾を指先で挟む。
「……んぁっ、あっ、あぁんっ…!」
「こんなに濡れてて……
自分で擦ってるくせに、先端までこんなに硬くなってるよ」
私の胸が、彼の手の中で跳ねるたびに、腰の奥から熱が吹き上がって、指先の動きが止まらなくなる。
「ねぇ……どこが一番感じる?
君の指が探してる場所、僕が見つけてあげようか」
そう言って、彼のもう一方の手が、私の指の上から重なった。
「やっ……だめぇ…それ…重なっちゃ…っ!」
「重ねたいの。
だって、君ひとりじゃ…奥の奥まで届かないでしょ?」
ぬちゅ、ぬるり――
二人分の指が重なって、奥を、じっくりとかき混ぜていく。
「ぁっ…あぁぁっ…だめぇっ…だめなのぉ…!」
「ん?…どうしたの?」
「も、もう…ムリ…っ、こんなの…我慢…できない…っ」
「何が?」
「…入れ…て…ぇ」
「ふふ、声が震えてて聞こえないな」
「入れてぇ……?」
「どこに?」
「中っ……奥っ…、欲しいのぉ……っ!」
「ふぅん……君の中、僕の指でもぐちゅぐちゅにしてから、欲しくなったの?」
「だってぇ……っ、指だけじゃ足りないの…。これじゃ…もう、おかしくなっちゃうのぉ…っ!」
腰が、何度も彼の手に押しつけるように揺れて。
「……お願い……入れて……っ」
「……可愛い。じゃあ――」
唇が、私の耳に落ちて、囁く。
「そのお願い、叶えてあげる。
君の奥、僕でいっぱいにして、
……昼間の我慢、全部上書きするから」
スカートの裾をめくったまま、彼が私の腰をぎゅっと抱え込む。
背中に押しつけられた彼の熱が、まるで灼けた鉄みたいに脈打っていて――
「…ん?腰、抜けそう?」
「っ…うん…でも、欲しいの……ねぇ早く……」
「ほんとに?こんなやらしい格好のまま?」
「ん…見ないでぇ……っ」
「ふふっ、見ないわけないじゃん。
だって、キッチンの真ん中で、スカートたくし上げて――
お尻突き出して、“入れてください”ってねだってるんだよ?」
「やだっ……そんなこと言わないで……!」
「でも、事実でしょ? この体勢……
完全に、突かれたくて震えてる腰じゃん」
「うぅ……っ…カラダが勝手に…っ」
「ふふ……可愛すぎ。じゃあ――」
彼の手が、下着をゆっくりとずらす。
湿った布が脚に絡み、ぽとりと床に落ちる音がやけに響く。
「奥、もうトロトロになってる。
入れる前から、こんなに締めつけてくるよ…」
「んっ、はぁっ……お願い焦らさないでぇ………早くぅ……!」
腰を引かれて、背中からぴたりと当てられる。
太く熱いそれが、くちゅ、と音を立てて濡れた中心を撫でて――
ぐっ…と一気に押し込まれてくる。
「っ…あぁぁっ……っ!」
「ぅん……やば…中、吸いついてきてる…」
ぐちゅっ、ぬちゅっ…
奥へ、奥へと進んでくるたびに、私の体が反り返って、膝が震える。
「そんなに奥まで……っ、ひぁっ…!」
「…ねぇ」
「っ…なに……っ」
「君が喘いでる声、換気扇の下に響いてるよ」
「えっ……や、やだぁ……!」
「外に聞こえちゃうかも。
“今、キッチンで犯されてるのかも”って、思われるかもよ…?」
「うぅぅっ…っ、言わないでぇ……!」
「でも……
それでも、こんなに中で絡みついてきて……
身体は、見られたいって言ってる」
「ちがっ…っ、やだ…っ、でも…気持ちよくて…!」
「じゃあもっと晒して? ほら、胸――」
彼の手が、服の中から胸を掴む。
指で先端を挟まれ、ぐにゅっと揉みしだかれて――
「やぁっ…だめっ、そんな…一緒に触られたらぁ…!」
「乳首、ほら、硬く尖ってる。
奥を突かれるたびに、ぴくって跳ねて…
服の上からでもバレちゃいそうだよ?」
「ぁっ、あぁっ、やだっ…っそんなのぉ……!」
「ふふ……
でも、君の中が一番正直。
ほら、挿れた瞬間から……
奥で締めつけて、震えてる」
「ひぁっ……んっ…あっ…いいのぉ…もっと…っ」
「もっと?」
「もっと……動いてぇ…! 壊れるくらいっ…!」
「なら――見せて?」
「な、に……を……?」
「君がどれだけ僕に乱されたいか。
この体勢で、キッチンで、音も声も、全部響かせて…
僕のモノだって、証明してよ」
「うんっ、するっ……するのっ、だから…っもっと…」
腰を深く打ちつけられ、奥を突かれるたび――
私の喘ぎが、キッチンの壁に跳ね返っていく。
背中からの愛撫、胸への責め、
そして奥で擦れる熱の連続に、私の身体はもう限界近い。
「……あぁぁっ…もぅっ、我慢できないっ…!
イかせてっ…お願い…っ!」
「……もぅっ…っ、あっ、あぁぁっ……!」
びくん…びくん…
奥で弾けるような快感が爆発して、私の脚が、腰が、意志と関係なく跳ね上がる。
「んっ、はぁ…っ、んんんっ……あぁぁぁ……っ」
「……イったね。
奥、キュって締めながら、僕のを咥え込んで……可愛すぎ」
抱きしめるように背中から支えながら、彼の唇が私の首筋をぴちゃ…と甘く吸った。
「こんな姿……誰にも見せられないね。
僕だけの…君」
「んっ…はぁ…はぁ……っ、うん……♡」
身体を預けたまま、余韻に震えていると――
「でもさ、まだ終わらないよ?」
「……え?」
「もっと奥でイけるでしょ?」
「っ……まっ…て……」
不意に、彼の指がシャツのネクタイをほどき――
そのまま、私の手首を優しく、でも逃げられない強さで縛り上げる。
「君の“我慢強い手”を、少しだけ拘束するよ。
さっきの続き…僕が、全部リードするから」
キュッと手首を縛られて、そのまま後ろから抱き上げられるようにして、ベッドへと連れて行かれる。
身体はまだ絶頂の余韻に震えているのに、ベッドが近づくごとに、また違う火照りが喉元まで込み上げてくる。
「…っ、まって…まだ熱いのに……」
「わかってる。
でも――もっと奥まで、
君の一番深いところで……今から僕と一緒に、イこうね」
「うぅっ……うん……♡」
スカートはまだめくられたまま。手首は後ろで束ねられたまま。
その姿のまま、ベッドに沈められて――
彼の影が、私を覆うように重なっていく――
夜のおかわり編へと続く…
読み終わった後も、この感覚を手放したくない方へ。


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